ドゥルツィアンについて②

前回に引き続きドゥルツィアンについて。
とても美しい響きを持つドゥルツィアンですが、どのような形で演奏されていたのでしょうか。
下の写真をご覧ください。

上の写真を見ると(2枚目は僕の写真ですが)、ドゥルツィアンが合奏で使われていた楽器だということがわかります。また他の何種類かの楽器、または歌と一緒に演奏されていたさこともわかります。一緒に演奏されていた楽器は主に、ショーム(オーボエの前身)、コルネット、サックバット(トロンボーンの全身)。それら音の大きな楽器のグループのことをムジカ・アルタと言います。
また強弱の幅の広いドゥルツィアンは、リコーダーやヴァイオリンと組み、ムジカ・バッサという音の小さなグループに参加することも出来ました。
これらのグループは教会のバルコニーに立ち演奏をしていました。
その際狭い場所で立って演奏出来るドゥルツィアンは、チェロやガンバなどの座って演奏するバス楽器よりも重宝されました。
(上からショーム、サックバット、コルネット)
また、ドゥルツィアンには沢山の種類があります。種類というのは大きさのことで、ソプラノからグレートバスまで、違う音域を担当し、ドゥルツィアンだけでグループを組むことも出来ました。このような同族楽器の集まりをコンソートと呼びます。
当時はソプラノ、アルト、テノール、バスのドゥルツィアンが組むことによって、歌の補強もしていました。
ドゥルツィアン同士、または他の楽器と組み合わせて演奏している動画があります。
その道の世界的演奏グループ、Doulce Mémoire の演奏です。
聴いてみてください。

ファゴット・バロックファゴット奏者 長谷川 太郎

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