僕の住んでいる場所②

(モンマルトルの頂上にあるサクレクール寺院)



みなさんは「アメリ」という映画をご存じですか?
2000年代の初めにフランスで作られた映画で日本でも大ヒットしました。
‘独特なセンスを持つ国フランス‘のイメージにぴったりの映画です。
たまたま実家にDVDがあったので僕もアメリを見ていました。
実写映画をほとんど見ない僕が3回以上見たことのある、数少ない映画です。
あとはホームアローン2と大脱走くらい笑


なんでアメリを見ていたかと言うと、姉がこの映画を好きだったからです。
それを見た僕は、この映画を見たらお洒落な感じになれると思ったんでしょうね。

すごく大ざっぱ話の骨組みを説明すると、‘自分独りの世界を生きる女の子が、好きな人と出会い、老人の激励を受け、結ばれる‘と言うものです。
これを聞いただけではただの童話のような話なのですが、登場する風景、色、人物、映像、音楽、サイドストーリーの全てがまあオシャレで可愛いのです。
日本人の僕からすると見たこともない世界観でした。ウォークマンで音楽を聴くだけでもその雰囲気に浸れました。
 

さて。なぜアメリの話をしたかと言うと。
この映画の舞台がモンマルトル。
そう。まさに僕が今住んでいる場所なのです。
 
僕は今習っているファゴットの先生に心酔してパリに来ました。フランスという国にもともと興味があったわけではありません。
当然いま自分が住んでいる場所も、あえて選んだわけではなく。家賃と環境がちょうど理想に合ったのと、たまたま空き物件だったからです。そもそもパリで留学生が住む場所を選べることはほとんど無いです。
 
アメリの舞台である街に住んだのも、本当にたまたまなのです。
物件が決まった後に家族に「ムーランルージュの正面だね。モンマルトルの丘があるね。」といわれました。しかし、留学直前の時点ではアメリの舞台がモンマルトルということもいまいち分かってなかったので、「綺麗な場所なのかな?」程度に思っていました。

憧れの留学生活。いざパリへ!
 
ムーランルージュをめざし、無事アパートに到着。
荷物の整理や携帯の契約を初日に済ませ、二日目からアパート周辺の散策を始めました。
 

ベルリオーズの墓のあるモンマルトル墓地から始まり、風車のあるお洒落なレストランムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット、絵描きさんが沢山いるテルトル広場。最後に丘の上にどっかりと構えるサクレクール寺院に行きました。各々の説明はあとで書くとして、、、

その帰り道にやっと気づいたのです。 
ここっ!!アメリの街だ!!!

サクレクール寺院から丘の下に降りた広場には、古いメリーゴーランドがありました。
このメリーゴーランドのある広場が映画の中の印象的なシーンで使われているのです。
男の子が正体不明のヒロイン、アメリを追いかけて広場を駆け上っていくシーンです。
 
ということで、映画の舞台になった素敵な街モンマルトルでの生活が始まりました。
(丘の下にあるメリーゴーランド)



どこから説明しましょうか、、、
難しいけど、やっぱりサクレクール寺院だな!
サクレクール寺院はパリで最も高いモンマルトルの丘の頂上に構える綺麗な教会。そのそばだつ姿をパリの街のあちこちから見ることができます。
19世紀後半に構想された新しい教会ですが、現在のパリの中でも特に有名な教会です。
外から見た写真は上に貼ったので。
中の写真、教会の正面から眺めたパリの街の風景の写真を貼ります。
 

どれも美しいですが、おすすめは正面から見渡せるパリの街!
昼、夕、夜と別々の美しい風景が見られ、人々を飽きさせません。有名な場所なので基本的に観光客だらけですが、コロナ禍の今でもサンドイッチやワインを持った人でいっぱいです。地元民からも本当に愛されている場所なんですね。
僕もパリの中で断トツに好きな場所で、物思いにふける時はいつもここを訪れます。ミサをやっているのによく出くわすので、その時は見学をしたりもします。友人が遊びに来た時も必ず案内しますが、みんな喜んでくれます。絶対におすすめ!
 
(テルトル広場)



次に紹介したいのはテルトル広場。モンマルトルが画家の街だということが理解できる場所です。
この広場は常に人であふれていて、その中心にはいつも自作の絵をたずさえた画家たちがいます。19世紀半ばからパリの改造計画で中心地から離れなければいけなかった芸術家たちが、安いアパートやアトリエを求めてこの丘に集まりました。
ピカソ、ルノワール、ゴッホなど多くの画家たちがここで暮らし、絵を書いていました。昼間は丘の上で絵を書き、夜は丘の下に降りてきて安いお酒を飲んでいたそうです。彼らもムーランルージュに通っていたのでしょうね。

その近くにある風車が特徴的なレストラン、ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット。ここは昔ダンスホールで、ここに集まる人を描くためにルノワールが頻繁に通っていたそう。彼の描いた「ムーランドラギャレットの舞踏会」という絵画は有名ですね。
(風車がかわいいレストラン。ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレット)

(ムーラン・ドゥ・ラ・ギャレットの舞踏会 ルノワール作)


アメリを見た人に紹介したい場所は、映画でも使われたいくつかのお店。
まずはカフェ・ドゥ・ムーラン。赤い入り口が印象的な可愛いカフェです。
このカフェは何かというと、映画の中で、ヒロインのアメリが働いている場所です。このカフェの中で様々な人が出入りし、人間ドラマを繰り広げていきます。
クレームブリュレが有名で、アメリの映画を見た多くの観光客がここでクレームブリュレとコーヒーセットを注文するそうです。人の多い観光シーズンには、お店の前で写真を撮る旅行客をよく見かけます。

それからオ・マルシェ・ドゥ・ラ・ビュート。こちらは一見するとただのミニマーケット。その正体とは?!・・・
 
なんの変哲もないただのミニマーケットです。
しかし、このミニマーケットの前でも旅行客が写真を撮っていきます。
なぜかというとアメリの友達がここで働いていたんですね。そこに登場する店主がとても嫌味な奴で、アメリは彼を懲らしめるために一計を案じます。結果彼は精神病院へ、、、
現実のこのお店ですが、お店の前には人がいるのに、お店の中には人がおらず。店主が暇そうにしていました。悲しい
(カフェ・ドゥ・ムーランとマルシェ・ドゥ・ラ・ビュート)


かたよった紹介になってしまいましたが、他にも小さなアトリエや、ブドウ園、可愛いレストラン街など魅力的な場所が沢山。
 
僕がパリで唯一案内できる場所です。
みなさん僕に会いにきて来てくれたら丘の上からパリの街を眺めてサンドイッチでも食べましょう。
あ、決してパリにカブレてるとかじゃないですよ。モンマルトルに来たらそれが素敵だと思っただけ!

ファゴット・バロックファゴット奏者 長谷川 太郎

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